7月2日(日)は花園大学国文学会だった。
後輩の廣森翼さんによる中町信の「模倣の殺意」についての発表があるとのことで、何か質問に立たないといけない、と思って前日は必死に予習しました。
発表自体は、創元推理文庫版の濱中利信さんの解説を確認したような内容だったので、ちょっと期待していた内容には及ばなかった(ところが残念だった)のだが、やっていることは着実なので、ここから半年なり一年なり頑張れば、それなりの新しいものが打ち出せるのではないか、と思う。楽しみな人である。調べてて欲しいことはいっぱいあるので、頑張ってほしい、と思う。ちょっと質問できつい言い方をしてしまったが、彼なら大丈夫でしょう。
二人目の発表は、関西学院大の院生(花園大の出身らしい)による、映画『ミザリー』についての発表。映像学会系の発表とのことだが、いちおう現代作品についての発表だったので、私や川畑さんが質問に立たないわけにもいかず。(それに、ここでの二人の質問が、この日の学会の一つの見せ場だろうと思ったので)。
面識のない研究者への質問には、もちろんのこと緊張感が伴う。まして分野が微妙に違うので。小説『ミザリー』から映画『ミザリー』へ、そしてさらに舞台『ミザリー』への展開をみたもの。
今から考えると、論に焦点が無く、何がいいたいのかが、今ひとつわかりにくかったところが残念なところか。それと、レジュメが不親切だったところも個人的には減点。映像資料を使ったプレゼンそのものは面白かったが、レジュメにももう少し親切さがあった方がよかったと思う。論に焦点がなかった、と書いたように、どこをどう質問してよいかがわからなかったのも、そこのところに原因があると思われる。ただ、この発表者も修士の院生にしては、頑張っていたように思うので、今後が楽しみな人である。
この日は何といっても、一柳廣孝さんによる「『学校の怪談』という問題系」の講演が格段に面白かった。1990年代に入り、『学校の怪談』ブームが生成されるが、それは家庭教育の崩壊とそのことによる学校教育への依存、それと並行的に学校では個性化教育が重視され、そのきしみの中から、「学校の怪談」が出てきたのではないか、というお話。また、『学校の怪談』ブームが1997を境に一時、沈静化したのは、酒鬼薔薇事件の影響が指摘できるとのこと。ははあ・・・という感じで、とっても面白かった。さすが、学会きっての変人・一柳さんですわ。
終ってからの懇親会で映像学会系の研究者の人たちと交流できたのが、収穫でした。とくに関学の博士課程で、花大の非常勤の橋本淳さんは、とっても面白い人でした。しかも、すごいよく勉強しておられて、世界の広さを痛感しました。とてもいい刺激になりました。橋本さんは、黒澤明の研究をされているらしい。また、何かで一緒に勉強できるチャンスがあるといいな、と。
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