2009年8月18日 (火)

『CRITICA』が送られてきました。

探偵小説研究会の本部(?)の方から、

執筆者分の『CRITICA』が送られてきました。

Critica4

やっぱり自分の書いた文章が活字になるのは、

何度経験しても嬉しいものです。

また、今回は『幻影城』特集ということで、

表紙の絵が『幻影城』風になっています。

描いてくださったのは、市川尚吾さんです。

サソリが素敵です。

まだまだ残部がありますので、是非、お買い求めください。

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2009年8月14日 (金)

『CRITICA』第4号のご案内

また一ヶ月近く、更新をサボってしまいました。

ひたすら高校の非常勤の仕事に追われています。

夏休みの間も。

探偵小説研究会の機関誌『CRITICA』の第4号が発売になりました。

こちらは商業出版ではなく、同人誌扱いになりますので、

一般の書店では手に入りません。

Critica4

興味をお持ちの方は、探偵小説研究会のホームページの方でご注文ください。

URLは、

http://www.geocities.co.jp/tanteishosetu_kenkyukai/index.html

です。

また、『市川尚吾作品集』も同時に発売されました。

こちらも探偵小説研究会で扱っております。

CRITICA』第4号の内容は下記の通りです。

     第一特集 現代本格の状況

大量死大量生座談会―読者視点から語る第三の波  笹川吉晴×蔓葉信博×

羽住典子

×

川井賢二

大量死理論について  大森滋樹

綾辻行人『びっくり館の殺人』論  浦谷一弘

失楽鏡儀『匣の中の失楽』論  蔓葉信博

     第二特集 『幻影城』の時代

戻りからくり―連城三紀彦と泡坂妻夫  市川尚吾

泡坂ミステリ考―亜愛一郎シリーズを中心に  横井司

未熟の浮上―中島梓/栗本薫の登場した七〇年代  円堂都司昭

普遍と個別 幻影城評論叢書を巡る随想  

川井賢二

この世の旅人 田中文雄さんのこと  笹川吉晴

特別寄稿 田中文雄さん  飯野文彦

     探偵小説評論賞

選考経過/選評  波多野健 千野帽子×

羽住典子

レイモンド・チャンドラーは「盗まれた手紙」の夢を見たか?  小倉蛇

探偵達の新戦略  小田牧央

     解放区

エドガー・アラン・ポオとチャールズ・ダーウィン  佳多山大地

やさぐれと崇高  中辻理夫

ミステリドラマの現況  千街晶之

     特別区

続・断章後日譚―笠井潔の「魔境」  千街晶之

リアルの変容―軒下補論  市川尚吾

『CRITICA』のバックナンバーもあります。

第1号と第3号のみですが(第2号は完売した模様です)。

よろしくお願いします。

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2009年7月19日 (日)

気がついたら……

前の日記の投稿から1ケ月も経っていました。

反省することしきりですが、

この1ケ月はひたすら勤務校の期末試験に追われていました。

やっとそれが一段落ついて、

今夜は久しぶりの休息です。

前回の日記では、

『CRITICA』の原稿(論文)を書いたと言いましたが、

今はすでに次の論文の準備をしています。

今度は学術論文の方ですが。

なかなかいい感じで集まってきています。

あまり詳しくは言えないのですが、

今度は江戸川乱歩の作品について、論文を書く予定です。

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2009年6月23日 (火)

脱稿

日曜日に、

やっと探偵小説研究会の機関誌『CRITICA』の

原稿を書き上げました。

原稿用紙37枚程度の論文です。

昨年はいろんな事情で書けなくて、

結構、凹みました。

今年は何としてでも書きたいと思っていたので、

とにかく書けてよかったです。

あまり、これといって目新しいことを言えてはいないので、

手放しで喜ぶことはできませんが、

それは今後の課題ということにしておきます。

『CRITICA』は八月頃に出るのだと思います。

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2009年5月21日 (木)

悪魔ここに誕生す……

古い作品で恐縮なんですが、

横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』についての感想を

ミステリ用のブログの方に書きました。

URLは、

http://amachi-kogoroh.at.webry.info/200905/article_1.html

です。

Akumagakitaritehuewohuku

今、これを取り上げたことには、

何の意味もありません。

ただ、自分の頭の中を整理するためだけに書きました。

申し訳ありません。

しかし、もちろん、

まだ読んでいない若い人に読んでほしい、とは思っています。

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2009年1月 2日 (金)

謹賀新年2009

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします。

年末忙しかったので、また更新をサボってしまいました。

毎年、同じことを書いてはいますが、

今年こそ、もうちょっと頑張って、更新しようとは思っていますので、

また、時々、見に来てやってください。

できれば、知人の方は、

「見ました」

というコメントでもいいので、残していただけるとありがたいです。

実は、今も日記を書いている場合ではないのです。

締め切りを過ぎた原稿を抱えて、各方面にご迷惑をおかけしてしまっているのですが、

何とか書きますので、どうかご容赦ください。

今年の目標は、

やはり研究論文を書くことです。

昨年、評論は書いたのですが、研究論文を書けなかったので、

そこが反省と後悔です。

今年は書かねば!!

ちなみに昨年書いた評論は、コレです。

32090587

探偵小説研究会編著『ニアミステリのすすめ 新世紀の多角的読書ナビゲーション』(原書房、2100円)

に「〈安楽椅子探偵〉の正体」という文章を書かせていただきました。

もともとは光文社から出ている『ジャーロ』という雑誌に、

探偵小説研究会のメンバーがリレー連載をしていた評論のシリーズに、

書き下ろしの原稿を加えて、刊行されたのが『ニアミステリのすすめ』です。

どことなく似ていて、それでいて違うという

新旧内外のミステリ作品を比較考察しながら、読書案内をしてゆく

という内容ですので、

ブックガイドの一つとしても是非よろしくお願いします、

評論集と銘打ってはいますが、そんなに難しくはありません。

是非。

また、探偵小説研究会の機関誌『CRITICA』に昨年は原稿を書けなかったのも、反省点です。

今年こそは書かないと、と思っております。

探偵小説研究会では、今年も出版企画が目白押しですので、

注目しておいてください。

探偵小説研究会は、こちらです。

http://www.geocities.co.jp/tanteishosetu_kenkyukai/index.html

昨年の花園大学の講演会で、綾辻行人さんが、

「ミステリって、こんなに面白いんだよ、ということをもっと広めて行きましょう」

というような内容のことを言っていたのですが、

自分もまさに同感で、

まずは批評面で、

ミステリ(とくに本格ミステリ)って、こんなに面白いんだということを

一人でも多くの人に伝えていけるように

力を尽くしてゆきたいな、と思っております。

紙媒体だけではなく、ネット上でも

いろいろなことができないか、と考えています。

そこは現在、画策中ですので、今は言えませんが。

そしてやっぱり、今年は小説を書きたいです。

昨年は仕事に追われて書けませんでした。

今年こそはうまく時間を作って、書いて、応募してゆきたいと思います。

どうしても、やりたいことがあるので。

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2008年12月10日 (水)

やっと

学校の仕事が一段落つきました。

といっても、まだ一段落で、採点等が残っていますが。

もう少し余裕ができたら、また書きます。

そうしている間に、

『2009 本格ミステリ・ベスト10』が出ましたね。

052

みなさま、よろしくお願いします。

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2008年11月27日 (木)

もうしばらくお待ちください

ちょっと、あまりに忙しくて、日記を書く時間があまりないのですが、

原書房の『本格ミステリ・ベスト10 2009』について、

検索して、ここへ来てくださる方が多いようなので、

いちおう書いておきます。

12月2日発売と聞いていますので、もうしばらくお待ちください。

来週の火曜日ですね。

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2008年11月19日 (水)

ゲラが送られてきました。。。

『本格ミステリ・ベスト10 2009』(原書房)のゲラが送られてきました。

目次を見ていると、テンションが上がります。

研究会メンバーの原稿は事前に見ることができるのですが、

各作家の近況のところなどは初めて目を通すので、

楽しいです。

各評論家の投票結果のところも、

あー、あの人らしいなとか、

ふーんとか思いながら見ることができて、楽しいです。

面識がなくても、ふだん書いておられるもので、

だいたいどのような趣味かわかるようなところはあるので、

その辺を念頭において、投票結果を見ると結構、楽しいものです。

ちなみに今回は

目玉の特集が個人的に結構オススメです。

それについては、また詳しく書こうと思いますが、

12月2日発売予定のようですので、

お楽しみに。

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2008年11月16日 (日)

有栖川有栖『女王国の城』

ミステリ用の日記を別立てにしました。

何をしているんだ?

という感じですが、いろいろ考えていることがあるので、

どうかご容赦ください。

そちらに有栖川有栖の『女王国の城』について書きました。

Jooukokunoshiro

URLは、こちらです。

http://amachi-kogoroh.at.webry.info/200811/article_3.html

昨年の本格ミステリ・ベスト10で第1位の作品ですので、

わざわざ私が薦める必要もありません。

ただ、こちらで、感想を集めて、少しずつ積み重ねてゆくことで、

いつかそれなりのものにしたいかな、と考えています。

まだ、工事中なので、貧弱ではあるのですが、

現在、いままでに書いた文章を整理中ですので、

少しずつアップして、

少しずつ充実させていきたいところです。

大事なことは積み重ねですので、

ゆっくり時間をかけていきます。

ただ、

天知探偵事務所の本局はこちらですので、

こちらですべてご案内してゆきますから、

まず、こちらに来ていただくので、大丈夫です。

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2008年11月11日 (火)

本格ミステリ・ベスト10 2009

私が所属している探偵小説研究会は、

今、『本格ミステリ・ベスト10 2009』(原書房)の出版へ向けての追い込みにかかっております。

006

画像は去年出た『本格ミステリ・ベスト10 2008』です。

今年は何色になるのでしょう?

去年は水色、一昨年は黄緑でした。

今年も復刊ミステリのコーナーと、

ブックレビューをいくつか担当させていただきました。

今年のベスト10順位は、(あまりいえませんが)「なるほど」という感じです。

12月になるかならないかぐらいの時期には

店頭に並ぶと思いますので、

もうしばらくお待ちください。

私自身も楽しみです。

探偵小説研究会のURLは、

http://www.geocities.co.jp/tanteishosetu_kenkyukai/index.html

です。

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2008年11月 9日 (日)

ニアミステリのすすめ―新世紀の多角的読書ナビゲーション―

ずっと前に出た本なのですが。。。

ちょっと原稿に追われているので、

本の紹介で今日の日記はご容赦いただきます。

32090587

探偵小説研究会編著『ニアミステリのすすめ 新世紀の多角的読書ナビゲーション』原書房、2100円

今年の夏に出た分です。

私の文章も載っております。

光文社から出ている『ジャーロ』という雑誌に、

研究会のメンバーでリレー連載していた評論を集めたミステリ評論集です。

それにいくつか書き下ろし原稿を加えて刊行されました。

どことなくよく似た二つ以上の新旧・内外のミステリ作品を

比較考察批評しています。

私は、

バロネス・オルツィの『隅の老人の事件簿』と

有栖川有栖の『山伏地蔵坊の放浪』とを比較して、

「〈安楽椅子探偵〉の正体」という文章を書きました。

『ジャーロ』にリレー連載されていた頃には、

私はまだ探偵小説研究会に入ってなかったので、

私の原稿は書き下ろしです。

ずっと案内するのを忘れていました。

申し訳ありません。

よろしくお願いします。

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2008年11月 7日 (金)

ブックレビューの担当が決まりました。。

原書房から出る

『本格ミステリ・ベスト10』のブックレビューの担当が

ほぼ決まりました。。。

ということは、

ベスト10の投票結果が出た、ということですが。

言えなくて申し訳ないのですが、

なるほど

という感じです。

目の前に締め切りが迫っているので、

大急ぎで書きます。

今年はどんな表紙になるのでしょう?

楽しみです。

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2008年4月12日 (土)

犯罪ホロスコープⅠ

法月綸太郎の新作です。

『犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題』(光文社、838円)

作者と同名の探偵・法月綸太郎の活躍を描く本格ミステリの短編集。

今回は、黄道十二宮の星座のうち半分、牡牛座から乙女座とそれらにまつわるギリシャ神話を題材にした作品集。

Hanzaihorosukoopu

「ギリシャ羊の秘密・牡羊座」

アリョーシャというニックネームを持つ名無しの権兵衛のホームレスが河川敷で殺された事件。被害者の着ていたゴールデン・フリースのジャケットはなぜ持ち去られたのか?

「六人の女王の問題・牡牛座」

元劇団員で売れっ子ライターの虻原サトルが劇団の主宰者・赤星剛志郎の住むマンションの敷地内で転落死体として発見された。被害者の残した俳句の中にはどのようなメッセージが込められていたのか? 

「ゼウスの息子たち・双子座」

綸太郎が小説執筆のために缶詰にされた山中湖畔の「四つ葉ホテル」で、自称ルポライターの恐喝屋が殺された。被害者が最後に口走った「偽者にやられた……」の意味は?

「ヒュドラ第十の首・蟹座」

巣鴨の染井霊園で一人の男が殺された。被害者の自宅も荒らされたのだが、その際に犯人が右と左を合わせて五枚の軍手(右2枚、左3枚)を使用した。なぜ、犯人は、五枚の軍手を使用したのか?

「鏡の中のライオン・獅子座」

〈女王様〉の呼び名を持つトップ女優の仙道美也子が自宅のマンションの駐車場で死体となって発見された。死体の耳には不似合いなバタフライピアスが片方にしかなかった。そして、女優と噂のある、年下の新進脚本家・滝本吉樹の自宅で、ピアスの片方が見つかったが……。

「冥府に囚われた娘・乙女座」

〈水中毒で昏睡状態に陥った女子大生から友人のもとに「毎日、鉢植えの植物に水を遣りにきてほしい」というメールが届いた。友人が行ってみると、「鉢植えの植物」というのは植物状態となった彼女自身のことだった〉という都市伝説の元ネタとなった実際の事件(もちろん作者の創作)の謎。しかも、現実の事件の方では、メールを送られた男性が熱中症で死体となって発見された……。

*********

ずっと十年近く悩んでいた作者の、悩み無き(?)作品集。。。

作者自身の言葉にも〈気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も残さない、そんな娯楽奉仕に徹したミステリー集〉とあります。

ある意味、言葉通り、雑誌(もしくは夕刊誌)発表の際には、

犯人当ての形式をとっていた作品(「ゼウスの息子たち」、「ヒュドラ第十の首」)もあるぐらいで、

本格ミステリとしては読みやすく、まさに謎解きを〈愉しめる〉一冊だと思います。

とくに個人的には「ゼウスの息子たち」が気に入っています。

作者自身は〈犯人当てとしては初歩的なレベル〉としていますが、たぶんみなさんにも喜んでいただけるのではないでしょうか。

僕たちの「思い込み」をうまく利用してくれています。

「ギリシャ羊」もなるほどと思いましたし、「六人の女王」では勉強になりました。

「冥府に囚われた娘」の都市伝説は作者の創作のようですが、それ自体がなかなかうまくできているなぁ、と感心。。。

これまでの作品の、悩める探偵・法月綸太郎が好きだった僕としては、ちょっと物足りない部分もなくはないのですが、

さすが本格ミステリの第一線で活躍し、本格ミステリを熟知している作者による作品集なので、むしろ多くのみなさんに愉しんでいただけるのではないかと思います。

ただ、作者の言葉を鵜呑みにしてはいけないな、とも思うのです。

例えば、「ギリシャ羊の秘密」は事件そのものが、

東野圭吾の『容疑者Xの献身』とそれに対する笠井潔の批評を意識してのことだと思うし、

「六人の女王」の暗号の問題でも、『容疑者X』で言及されたNP問題が出てきており、

作者が本格ミステリの抱える問題を、数学の問題として捉えていることの表れだといえるでしょう。

また、登場人物の名前をめぐる謎、トリック、ロジックが頻繁に用いられるところなどは、柄谷行人の影響だといっても間違いはないと思われます。

さらに、全体がギリシャ神話に見立てられているところは、

作品の中で犯人が意図的に行う見立てとは違い、

(ご都合主義に陥る一歩手前ではあるかもしれませんが)

物語の展開が自然とギリシャ神話(など)に引き寄せられてゆくという不思議(?)を描いているところに、

現在の作者の立っている地平が象徴されているようで、興味深いのです。

作者の新しい一歩なのかもしれません。

一見、純粋に謎解きミステリを書いたような身振りは見せていますが、

作品にそういった批評性を織り込んでゆく姿勢は、

健在なのではないかと思います。

後半の天秤座から魚座の短編集も楽しみです。

水瓶座や射手座も入っているし。。。

へびつかい座はどうするんやろう。。。

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2008年3月27日 (木)

我孫子武丸『狩人は都を駆ける』

風邪で倒れていましたが、ほぼ治りました。

周りの方には、ご心配をおかけしました。

我孫子武丸の『狩人は都を駆ける』(文藝春秋、1333円)という短編集があります。

011

舞台は京都。。。

動物嫌いの私立探偵「私」のもとに、同じビルで動物病院を経営している沢田からペット関連の調査依頼が持ち込まれる。

「私」は「猫探しならやらんぞ」というポリシーをいちおうは持っているものの、何しろ〈個人事務所を開業してはや六ヶ月〉、〈わずかばかりの貯えも底をつきそうで、アパートの家賃も、二ヶ月滞納している。このままだとアパートを引き払ってこの事務所に寝泊りするしかないかもしれない〉状態。結局は引き受けてしまうのである。

表題作「狩人は都を駆ける」は、原稿用紙200枚ちょっとの中編。

あとは、原稿用紙70枚から80枚くらいの短編小説集。

「狩人は都を駆ける」……左京区下鴨に住む藤井喜美子という気難しい老女の飼うドーベルマン・雷蔵が誘拐され、身代金1000万円が要求された。「私」が犯人との交渉役を依頼された事件。。。

「野良猫嫌い」……先斗町のクラブで働く、みひろという女の子の住んでいる左京区のマンションの周辺で、猫の連続惨殺事件が起こっていた。その謎に「私」が挑む。。。

「狙われたヴィスコンティ」……ドッグショーで入賞候補のシーズーのヴィスコンティに「出場をとりやめろ」という脅迫状が送られてきた。そのヴィスコンティのボディガードを「私」が依頼された事件。。。

「失踪」……「私」の事務所と同じビルの地下一階にある「ノワール」というスナックのバーテンの野口くんが持ってきた事件。彼の恋人が飼っていた猫が失踪した。近所では、「猫さらい」ではないか、という噂が流れている。。。

「黒い毛皮の女」……雨の夜、狭い一方通行路で「私」は小さな黒猫を轢いてしまった。沢田の病院で救急の処置をしてもらって、飼い主探しを始める「私」。。。

トーン自体は、ライトなハードボイルドという感じ。

今回は本格ではありませんが、「野良猫嫌い」、「失踪」、「黒い毛皮の女」には、少し本格っぽい香りもします。

まさか犬の事件の時にはハードボイルドで、猫の事件の時には本格っぽさを少し出してる、わけではないと思うのですけども。どうなんでしょう? そういう書き分けをしてるんでしょうか?

ハートウォーミングな結末ではありません。むしろ、どことなく後味の悪さの残る、人間のダークな部分を描こうとしています。

猫さらいや少年犯罪、ペットをめぐる人間の虚栄心など、現代人の抱える心の闇をさまざまな事件を通して(えぐるという感じではなく)、さらりと描いています。

えぐるのではなくさらりと、というのは、この作品がハードボイルドという形式を採っているからでしょう。結局は、探偵は外部に立って、「我関せず」の態度を貫いています。

しかし、探偵の「私」は、その割には結構頑張って調査に奔走するところに好感が持てます。

そして、何より作者も「私」も、作中に登場するペットの飼い主たちとは違う位置に立っていながら、より本質的な愛情に根ざしたまなざしで動物たちを見つめていることが伝わってくるところが、読んでいて安心できるところではないでしょうか。

ネット上の書評ではそんなに評価は高くないのですが、個人的には好きです。

「動物に優しくなければ生きていく資格が、ない」

というチャンドラーを援用(?)した帯文もいいなと思います。

京都在住の人や動物好きの人に。。。

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2008年1月29日 (火)

藤野恵美『ハルさん』

藤野恵美の『ハルさん』(東京創元社)です。

昨年の『本格ミステリ・ベスト10』第23位。

自分はベスト5の投票では、票を入れなかったのですが、結構、好きな作品なので、書いておきたくなりました。

『ハルさん』は「日常の謎」系の本格ミステリなので、もちろん陰惨な殺人事件などは出てきません。とってもハートフルな父と娘の物語。

主人公の「ハルさん」こと春日部晴彦は、若くして妻を喪った、気の弱い人形作家。

幼い「ふうちゃん」こと春日部風里と二人で暮らしている。

連作短編になっていて、

第一話が「ふうちゃん」の幼稚園時代、第二話が小学校時代、第三話が中学校時代、第四話が高校時代、第五話が大学時代となっており、「ふうちゃん」が育ってゆく過程でさまざまな不思議な出来事が起ります。

「ふうちゃん」が幼稚園の友達の卵焼き泥棒の疑いをかけられたり、小学校の夏休みに失踪したり。

気の弱い「ハルさん」は、そのたびにうろたえるのですが、すると、「ハルさん」の頭の中に亡くなった妻の「瑠璃子さん」の声が聞こえてきて、すべてを見通す名探偵のように一つ一つ謎を解いていってくれます。

そうして、謎が解けるとともに、「ふうちゃん」も「ハルさん」も少しずつ一緒に成長してゆき、やがて「ふうちゃん」は綺麗なお嫁さんになってゆく、という物語。

「日常の謎」系の心臓でもある伏線もなかなかきっちり張られているので、むしろ、ミステリなどあまり読まないという入門者の方にも強くオススメの作品です。

女性らしい発想と、児童文学の作家らしい温かい視線がうまくかみ合って、本格ミステリとしてはちょっと物足りない部分もある(とくに後半は失速気味)とはいうものの、一人の女性の成長の物語として、あるいは娘を持つ一人の父親自身の成長の物語として、なかなか読んでいて楽しいものがあります。

とくに一話ごとの「ふうちゃん」の描き分けは見事で、絵本を手に持って無邪気に探偵衣装を着ていたあどけない「ふうちゃん」が、成長するにつれ男親の「ハルさん」からは見えない存在になってゆき、やがて真っ白なウェディング・ドレスの似合う素敵な女性に、少しずつ微妙に変化してゆきます。

そして、起こる事件の内容も、「ふうちゃん」の年齢に応じた事件がそれぞれ用意されています。

第五話のタイトルが「人形の家」であることも、「ふうちゃん」の成長の物語であることを表しているのかもしれません。

もちろん、「ふうちゃん」が離婚をしたりするわけではないのですが、人形作家である「ハルさん」がいくつかの人形を作りながら「ふうちゃん」を育ててゆくことで、最終的に「ふうちゃん」は〈人形〉ではなくて一人の〈人間〉として「ハルさん」のもとから巣立ってゆく、そんな意味合いがあるのかもしれません。

しかし、やはりタイトルが「ハルさん」なので、時間があれば「ハルさん」の成長についてもゆっくり考えてみたい気がします。

個人的には続編も期待したいところですが、これはこれで終わった方がいいのかもしれない、と思う部分もなくはないです。

ラストは結構、感動できます。

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2008年1月 9日 (水)

院ゼミ終了

大学院のゼミ(2007年度分)が終了しました。

私はオーバードクターですが、

いちおう博士論文を提出するまでは出席させてもらう

ことになっているのです。

いろいろあったのですが、

今は解放感と充実感に包まれております。

ただ、ゼミの一年間の目標であった(博士課程以上の院生全員の目標)

論文三本を活字化するというのが、

結局は一本しかできなかったので、

そこのところについては

敗北感というか、

反省しております。

来年度はもう少しコンスタントに書かないといけません。

指導の先生とは、

春休み期間にも集まる算段などもして解散してきたので、

何とか春までに一本は、

活字化にこぎつけることができるような内容のものを

書きたいものです。

今のところ予定としては、

江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」についての論文を

書く予定をしています。

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2008年1月 6日 (日)

今年の目標

今年は書く、といいながら、

早速、更新をサボってしまいました。

ずっと年賀状に追われていました。

書く、といっても、今日もつまらない私個人の日記です。

昨年は大変な一年でした。

とくにプライベートでは、あまりにもつらい事があり、まだ立ち直っておりません。

その絶望のさ中、学会発表の準備と原稿に追われていました。

精神的にもかなりきつかったのですが、

それでも学会発表はさせていただいて、よかったなぁ、と思っております。

たくさんの人にご迷惑をおかけしてしまいましたが。

結果、学会発表の内容が論文となって本の形になったことは嬉しいことです。

007

また、昨年から小森健太朗さんの推薦で、探偵小説研究会のメンバーに入れていただいたことが、自分の中では、大きな変化でした。

その探偵小説研究会のお仕事で、『本格ミステリ・ベスト10 2008』のお仕事をさせていただいたのは、とてもよい経験になりました。(投票結果の発表の際のドキドキも楽しかったです)

006

ただ、反省としては、学会発表の時機と、探偵小説研究会の機関誌『CRITICA』の〆切の時機が重なっていたので、『CRITICA』に寄稿できなかったことがあります。今年は『CRITICA』にも原稿を準備できるように頑張りたいと考えています。

最後、年末になりましたが、

12月に立命館大学で開催された乱歩国際コンファレンスという国際学会のセッションⅡで司会をさせていただいたのも、よい経験となりました。

とくに日本の国文学系の江戸川乱歩研究者の有名な方もかなり集結しておられましたし、何より海外の研究者と交流できたことは、本当によかったです。

次回はNYで何年後かに行われるようなので、行けるようにしたいなぁ、と思います。

さて、今年ですが、

今年はあまり表に出ず、とりあえず書くことに専念したいと思っています。

目標は論文4本。(うち『CRITICA』に1本)

なかなか難しい数字(昨年は5本と書いて1本だったので)ですが、

あくまで目標ということで(ゼミの目標が3本なので)、

頑張っていきたいと思っています。

あと、去年、書き上げる予定だった小説の方も、今年こそは書き上げて、応募しないといけません。

以上が、今年の目標というところでしょうか。

つまらないことで、すみません。

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2007年11月22日 (木)

『鉄道―関西近代のマトリクス』

また、更新をサボってしまいました。

ただ、今、ゼミレポートに追われているので、少しだけ。

六月に学会発表した分が、やっと本になりました。

『鉄道―関西近代のマトリクス』日本近代文学会関西支部編

049

和泉書院という出版社から「いずみブックレット」という形で出ました。

定価は、945円で、500部限定だそうです。

私は、その中に、

学会発表をほぼそのまま原稿にした、

「蒼井雄『船富家の惨劇』の時刻表トリック」という論文を載せています。

私の原稿以外では、

田中励儀「関西の鉄道と泉鏡花」

田口律男「『関西』と『鉄道』のディスポジション―横光利一の場合―」

原武史「関西私鉄をめぐる断層―三人のご報告を拝聴して―」

が掲載されています。

よろしくお願いします。

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2007年11月 6日 (火)

投票終了

昨夜、22時頃

原書房の『本格ミステリ・ベスト10 2008』の

投票を済ませました。

11月5日が締め切りだったので。

そして、

真夜中の12時半くらいに、

今年の本格ミステリのベストランキングの

速報結果が出ました。

ほほー、なるほど

という感じです。

今年は力作ぞろいの豊作だったと思います。

みなさんにお知らせできるのは、

やはり『本格ミステリ・ベスト10』の

刊行を待っていただくしかないのですが、

今、

探偵小説研究会では、

この真夜中に、ブックレビューの分担を

決めております。

今年から研究会に入った私も、

ある作品(第9位の作品)のブックレビューを

担当することになりました。

あと、もうひと頑張り。

ラストスパートです。

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2007年11月 2日 (金)

仕事終了

また、

永いこと更新をサボってしまいましたが、

仕事に追われてました。

原書房の『本格ミステリ・ベスト10 2008』の

原稿の仕事です。

今回は、初の単独のコーナーも担当させてもらえて、

原稿用紙10枚ほどではあるのですが、

ずいぶん張り切っていたのです。

にもかかわらず、

結局また締め切りに遅れてしまい、

出版社の方や研究会の方にも

ご迷惑をおかけしてしまいました。

申し訳ございません。

が、

お仕事自体は、

しんどかったけれども、楽しかったです。

来年は、遅れないように頑張ります。

とにかく終わりました。

あとは、

ベスト10の投票と、

その投票結果から発生する(?)ブックレビューのお仕事です。

また、

締め直して頑張らないといけませんが、

とりあえずは、

寝ます。

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2007年10月17日 (水)

三津田信三『首無の如き祟るもの』

ここのところ自分自身を見失っている感じなので、

そういう時は、仕事仕事と、探偵小説のことばかり

考えるようにします。

私の人生においてつねに、孤独を癒してくれたものは、

探偵小説であり、謎と論理の物語の魅力であり、

名探偵の名推理であったわけです。

もうじき本格ベスト10の投票があるので、

そろそろおさらいをしていかないといけない状況です。

その今年のベスト10の上位に必ず食い込んでくるだろうな、と思っているのが、

(いくつかあるのですが)

三津田信三の『首無の如き祟るもの』(原書房)です。

  041

東京の奥多摩地方の媛首(ひめかみ)村に代々続く、秘守(ひかみ)一族の次期当主の花嫁を選ぶ伝統的な儀式「婚舎の集い」において、殺人事件が勃発した。当主の長男・長寿郎の花嫁候補三人のうちの一人が首無し死体で発見される。しかも、現場からは長寿郎の姿も消えてしまうのだが、儀式の行なわれた山は、密室状態で、謎は深まる一方である。秘守一族は、いがみ合う三つの家が跡目を争っており、混乱が続く中、第二、第三の首無し死体まで発見されるのだ。古くから、秘守家を祟り続ける淡首(あおくび)様の怨霊の仕業か、それとも、巧妙なる連続殺人か……

首無し死体、四重の密室、男装の麗人、淡首様の祟り、謎の妖怪・首無しなど、本格ミステリファンだけでなく、ホラーファンも楽しめる要素がいっぱいのホラー系本格ミステリの傑作。

まず、やっぱり嬉しいのは、地方の旧家の因習に囲まれた土俗的な世界観。

まさに横溝ワールドの再生といった感じがミステリ・ファンには嬉しいところです。ああ、横溝正史が生きてたら、こんな新作を書くかもしれない、という雰囲気。読んでいると、自分も秘守家を(来訪者として)訪れていて、事件に立ち会っているようなリアリティを感じさせてくれます。

そして、もう一つ。戦後の探偵小説文壇の探偵小説ブームと世界観を接続させてくれているところも、ファンには嬉しいところ。

探偵小説通でない人には、とにかく首無し死体がゴロゴロ出てくるところを楽しんでもらえるといいかな、と。これでもか、という具合に、首が切断されます。

しかも、探偵小説においてはつねに、「なぜ切断されなければならなかったのか?」という命題があります。

それに対して、新しい解ではないのだけれども、いくつかを見事に複合させ、ひねってひねって、ひねりまくっているところに、この作品の魅力があります。

事件の真相を知った時、思わず「見事」と思いました。

本当に上手いです。

結末の二転三転(もっと)する、どんでん返しの連続にもびっくりさせられますし(ちょっとあざといかな? とも思ったのですが、ラストの結末で納得しました)、何よりも、「たった一つのある事実に気づきさえすれば」事件の謎が解けてしまう、というところがよくて、実際に探偵役の刀城言耶がそれを指摘したことによって、ぱたぱたぱたと謎が解けてゆく心地よさは、まさに本格の基本といった感じでたまりません。

私は、すっかり騙されてしまいました。

そして、ラストはホラーの味も、もちろん出てます。

全然、評論家らしいことが書けず、すみません。

ミステリについて書くときは、慎重になってしまいます。

もし、この作品について論じるのであれば、「探偵小説マニア」という切り口から入ることになるのかもしれません。

また、へこんだら、ミステリについて書いてみます。

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2007年9月26日 (水)

本当に終了

火曜日は、大学院でした。

そして、

指導の先生に送っていた「船富家の惨劇」の論文が返ってきました。

いちおう、

チェック終了で、大きなストップはかけられなかったので、

何とか活字化はいけそうです。

もちろん、

ぎりぎりOKぐらいのレベルだとは思うのですが、

とにかく終了ということで、

ほっとしました。

終った・・・・・・

次は、原ベスのお仕事や次の論文もありますが、

とにかく、ちょっと充電しないと。

いろんな論文を読んで(書いている時はなかなか読めないので)、

論じ方の勉強を、またしないといけません。

やっぱり、ずっと同じところに立ち止まっていてはいけないので、

いろんな人の論文をまた読んで、いろんな技を身につけて、

つねに成長してゆきたいところです。

ただし、あんまりのんびりもしてはいられません。

博士論文の完成までには、

あと論文を15本以上は書かないと。

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2007年9月11日 (火)

外出

体調は相変わらずなのですが、

どうしても出かけないといけない用事がいくつかあったので、

しぶしぶ外出しました。

給料日だったので、

早速、本を買ってしまいました。

都筑道夫『新顎十郎捕物帳』、戸川昌子『火の接吻』、多島斗志之『〈移情閣〉ゲーム』。

そう

講談社ノベルスの、綾辻・有栖川復刊セレクションの9月配本分です。

この復刊セレクションは、

11月までのようですが、

本音を言うと、もっと続くといいのに、と思ってしまいます。

作家の先生がかわってもいいので。

ただ、復刊があまりに増えると、ちょっと困ってしまいます。

個人的に・・・・・・

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2007年9月10日 (月)

体調

まだ、体調が戻っておりません。

なので、ほとんど仕事も進んでおりません。

大変です。

今日、〆切なんですが。

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2007年6月18日 (月)

花園大学公開講演会

告知です。

毎年恒例の花園大学公開講演会です。

パネルディスカッション『ミステリの魅力~犯人当てに魅せられて』

6月23日(土)午後1時30分~

花園大学無聖館ホール5F

入場無料

パネラー 麻耶雄嵩、大山誠一郎

司会 佳多山大地

19_6_23

麻耶さんが喋られるというのは、結構、珍しいと思うので、

貴重というか、必聴ですね。

今年も豪華な客席になるのではないでしょうか。

私も客席で、ゆっくり聞かせていただきます。

興味のある方は、是非おこしください。

今、ミステリの勉強をするなら、断然、花園大学ですね。

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2007年3月16日 (金)

日下三蔵さんが一万人

先日、探偵小説研究会に初参加してきました。

というのも、私の歓迎会をしてくださったのです。

しかも、京都で開いてくださるという、申し訳ない状態。

一次会は京都の北の方の「オランダ屋」という喫茶店で。

作家の小森健太朗さん(代表作は『コミケ殺人事件』コミケ殺人事件 、昨年は、『魔夢十夜』魔夢十夜 も上梓。)、評論家の鷹城宏さん、つづみ綾さんと私の四人で。

主に、私の自己紹介と今の研究での興味について話し、探偵小説研究会がどのような活動をしているかについて説明していただきました。

本当に、みなさんには親切にしていただいて、あっという間に時間が過ぎてしまい、楽しい一日を過ごすことができました。

参加する前は、アホがバレて、とても恥ずかしい思いをするのではないか、とか、お話しについてゆけなくなり、とてつもなく凹んで帰るのではないか、といろいろ心配し、ガチガチに緊張していったのですが、気がついたら、一次会が終っており、「まだ帰りたくない」状態になっていた程で、こんなに楽しい思いは、本当に久しぶりでした。

よく、これまでさまざまな研究会や読書会に参加してきたものですが、つねに一抹の寂しさを感じていました。

それは、例えば、個人作家の研究会などに参加しても、メンバーはとてもいい人ばかりで、楽しいのだけれども、さて、その作家への愛情となると、集まっているみなさんと私とでは温度差があって、どことなく疎外感(他のメンバーが私を疎外しているのではありません。私が入りきれないのです。不勉強なもので)を感じていて、「ああ、これが探偵小説の集まりだったらどんなに素晴らしいだろう」とつねに思っていました。

それが、ついに実現した感じなのです。しかも、メンバーは日本のミステリ界で第一線で活躍されている作家や評論家の方たち。

私の興奮が伝わるでしょうか。

「ここが新たな私のホームになるといいのにな」というのが、正直な思いです。もちろん、そういうつもりで頑張って、みなさんの活動についてゆけるようにしたいと思っています。

二次会は、四条通りの東華菜館Photo_11 で、中華料理をいただきました。

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昔から建物は知っていたものの、初めて入ったので、ちょっと感動。

さらに評論家の千野帽子さん文藝ガーリッシュ    素敵な本に選ばれたくて。 や、波多野健さんもお忙しいのに駆けつけてくださって、いよいよ本格的に。しかも、波多野健さんが俳句の波多野爽波の息子さんだということも判明し、千野帽子さんが改めて畏まっておられました。

波多野さん、千野さんが来られる前の話題で、私の考えを述べさせていただいたものなんですが、子供たちがミステリを読む絶対数が減っているのでは、という話をして、十年後、二十年後、果たして本格ミステリの書き手は、今ほどに登場してくれるんだろうか、また、読者の需要そのものがなくなってゆくのではないだろうか、という不安を吐露したところ、解決策(?)として小森さんが提案(?)されたのですが、日下三蔵さんが一万人いれば、大丈夫だろうということになり、日下さんが一万人いるということは、その下のレベルの層はかなりの人数になり、裾野は大変なことになっているだろう、と。そうなると、本格は絶対に大丈夫に違いない。確かに。

で、そこから、日下さんが一万人おられると、古本の値段はとんでもない高騰をするだろう、そして、デイトレーダーは古本に投機し、毎日、古本の値の動きをチェックするようになるだろう、さらに論創社などはM&Aを仕掛けられ・・・・・・

と、なかばSF的な盛り上がりをして、爆笑と。盛り上がりました。

面白かったです。ハマッてしまいました。日下三蔵さんが一万人に・・・・・・

とにかく楽しい一日でした。一日でも早く東京例会の方に合流しなければ、と思います。

みなさま、本当にありがとうございました。これから頑張ります。

ただ、終ってから、やはり肩はガチガチに凝っておりまして、大変なことになってました・・・

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2007年2月17日 (土)

ハナシにならん!

インフルエンザで死んでました。

昨年の夏頃に発売された本ですが、

田中啓文の『笑酔亭梅寿謎解噺2 ハナシにならん!』

ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉

が面白いです。

連作本格落語ミステリの第2弾なんですが、(なので第1弾の『ハナシがちがう!』

ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺

も一緒にオススメしておきます)関西人にはとくに楽しめる内容になっています。

金髪で鶏冠頭の若手落語家・笑酔亭梅駆を狂言まわしとする、日常の謎系のミステリ。

いや、日常の謎系のものよりも、よりミステリ色は薄まっていて、ほとんど「落とし噺」に近い状態で、この物語そのものが新作落語のよう、ともいえなくもない。

関西人にとくにオススメなのは、作品の舞台背景が、今の関西のお笑いの世界をうまくモデルにしているところ。

主人公である笑酔亭梅寿(梅駆の師匠)の所属する芸能事務所が松茸芸能だったり、松茸芸能が芸人養成スクールMSSを持っていたり、M-1グランプリ以外に落語のO-1グランプリというのがあったり。とくに米朝師匠が麦昼師匠になっていたのには笑いました。

主人公の梅寿師匠はどうやら六代目笑福亭松鶴を、梅駆は笑福亭鶴瓶をモデルにしているように思われます。とくに梅駆はケツを出すあたりが。

今、上方落語は微妙な位置にあるのかもしれない。漫才に関していえば、M-1グランプリの影響もあって、中川家以降、若手がものすごく力をつけてきていて、空前の人気を誇っています。が、落語は(繁昌亭のオープンなどもありましたが)落語というジャンル自身の立ち位置に悩んでいるといえるかもしれません。少なくとも、この『ハナシにならん!』では、〈落語の危機〉が常に意識されています。

漫才作家ではなく若手漫才師自身がネタを考え、演じる今の漫才は、(言葉は古いですが)シンガーソングライター的な状況で、そのオリジナリティーと即興性が若い人を中心とする多くのオーディエンスを獲得しているといえるのでしょう。一方、落語はどうかというと、昔から継承された同じネタ(「古典」)を繰り返し演じ、作品の世界観も長屋や熊さん、八っつぁん、お伊勢参りなど、今の若い人には馴染みのない世界。もちろん、そこにはジャズのように、あのスタンダードのナンバーをどう演じるか、という楽しみ方があるのだけど、そうなってしまうと〈通〉のみが楽しめるジャンルとなってしまい、落語本来の大衆性が失われてしまう。そこのところにおいて、落語は〈迷っている〉といえるのかもしれません。

ジャズ好きの作者は、やはり落語とジャズの親近性を意識しているようですが、一方で、落語と本格ミステリの類似性もかなり意識しているように思われます。もちろん、本格ミステリと落語の共通性については、これまでの研究でもすでに言われているところですが、この作者は〈落語の危機〉と〈本格の危機〉とを重ねてみている部分があるのではないでしょうか。

ですので、

(あかん・・・負ける。落語は負ける・・・・・・)

という梅駆の危機意識(「猿後家」)を読んだ時に、私は昨年、笠井潔さんが表明されていた本格ミステリの危機のことを思い出してしまいました。

もちろん、〈本格が負ける〉かどうか(何に?)は、今、何とも言えませんが、この『ハナシにならん!』では、そういった〈落語の危機〉に対して、師匠の笑酔亭梅寿が各話で落語の可能性を披露展開してみせる、という内容になってます。この笑酔亭梅寿はかなりエキセントリックな人物で、かつ名探偵のような〈よく見える目〉を持った人物なのですが、この梅寿が落語の可能性を見せるというところに、作者の本格の可能性を信じる、という姿勢を垣間見ることもできるのではないでしょうか。

いささか手前勝手な読みを展開してしまいましたが、読んでいると、つい落語が聞きたくなってしまうミステリです。とくに作中にタイトルが出てくるものなどを聞いてみて、もう一度、読み直すとさらに新しい発見があるやもしれません。

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2006年12月18日 (月)

怪盗グリフィン、絶体絶命

『本格ミステリ・ベスト10 2007』のマイ・ベスト5の中でも取り上げさせていただいたのですが、昨年読んだものの中で、とくに印象に残ったものとして、

法月綸太郎『怪盗グリフィン、絶体絶命』を挙げておきます。

ニューヨークの怪盗グリフィンに、ロバート・F・オストアンデルを名乗る男から、メトロポリタン美術館が所蔵する、ゴッホの『自画像』を盗んでほしい、という依頼が舞い込む。「あるべきものを、あるべき場所に」が信条の怪盗グリフィンは、その依頼に対して、ある作戦で応じるのだが、やがて危機一髪の立場に追い込まれてしまう。

かろうじて命をとりとめたグリフィンは、CIAの極秘オペレーション〈フェニックス作戦〉に巻き込まれ、その指令のためにカリブ海のボコノン島へ向かう。ボコノン共和国のパストラミ将軍が保管している人形を奪取することがその指令の内容だった。グリフィンの華麗なる盗みと冒険が展開されてゆくのだが・・・・・・

法月綸太郎のノン・シリーズものの『怪盗グリフィン、絶体絶命』ですが、作品のスピード感と逆転に次ぐ逆転の展開は、さすがプロット重視の氏の本領が発揮されていて、ミステリーランドというレーベル(児童書)ではありながら、大人も楽しめる良質のミステリーといえるでしょう。さらに〈怪盗もの〉でありながら、結末にはグリフィンによる〈謎解き〉も用意されていて、さすが〈本格原理主義者〉を標榜する氏の主張のようなものも感じられます。アメリカのハードボイルドの味付けをされた〈怪盗もの〉のミステリですが、実は〈本格〉を主張している、という。

さらに、この作品について注目しておきたいのは、表向きは児童向けの冒険活劇の顔をしていながら、裏の顔では、立派な〈アメリカ〉批判となっているところ。田中宇の『アメリカ「超帝国主義」の正体』アメリカ「超帝国主義」の正体 を参考文献に挙げていることだけでなく、これまでの氏の評論活動からもうかがえる部分でもあるし、作中の架空の地名ボコノン共和国をめぐる偽史〈サン・アロンゾの虐殺〉などが、〈アメリカ〉の〈歴史〉と接続されて語られる点(ちなみにここはカート・ヴォネガットの『猫のゆりかご』猫のゆりかご へのオマージュ)、そして、グリフィン自身がCIAの指令で動きながら、そこには常に懐疑的であり、取り込まれてゆかない点など、全編にわたり作者の政治的な主張が、染み渡っている。

児童書であるべきミステリーランドでそのような政治的な部分があることに難色を示す人もあるかもしれないが、今は学校教育で〈愛国心〉が刷り込まれてゆく時代。これぐらいの〈抵抗〉はむしろ必要であるといわなければならないだろう。それに〈政治的でない〉というあり方は不可能であり、ニュートラルであろうとすることも、〈骨抜き〉という政治性に見まわれているともいえるのだから。

もちろん、作者が政治性の〈刷り込み〉を子供たちに向けて行なっている、と言っているわけではない。正確には現在のアメリカのネオコンによる世界支配に対する、一つの声として〈本格ミステリ〉の立場から楔を打ち込もうというのが作品のねらいなのだろうと考える。

最後に、この作品の舞台が〈カリブ海〉に設定されていることには、ある作家のある作品の影響があるのでは・・・・・・と考えているのだが、それについては、もう少し調べてから・・・・・・

とにかく、せっかくなのでシリーズ化してほしい。ミステリーランドでなくてもいいので。

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2006年12月 9日 (土)

『本格ミステリ・ベスト10 2007』

やっと出ました。

『本格ミステリ・ベスト10 2007』

本格ミステリ・ベスト10〈2007〉

やっぱり、自分の原稿が活字になるのは、いつも嬉しいものです。とくに今回は市販されている本なので。

でも、私の文章はともかく、2006年の本格ミステリの状況がよくわかるので、是非、手にとっていただきたいです。

中身に関しては、また少しずつ触れていきますが、やっぱり道尾秀介が来ましたか・・・・・・という感じです。今年は、道尾秀介と三津田信三と島田荘司の一年だった、というのは、まさにその通りだった、と思います。

自分のランキングでは、5位以内には道尾秀介を入れただけですが、かなり迷うのです。5作品しか投票できないので。

それと、ランキングの原稿の時に、法月綸太郎の『怪等グリフィン、絶体絶命』の「、絶体絶命」を書くのを忘れてしまって(自分では書いたつもりだったんですけど)、気づいた時にはもう遅く、法月先生には失礼なことになってしまいました。申し訳ありません。

反省。

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2006年11月12日 (日)

二度目のお詫び

長い間(2カ月もの間)、ブログをサボってしまい、申し訳ございません。

二度目のお詫びです。

ちょうどこの2カ月間、面倒な仕事を始めてしまい、その結果、まったく自分の時間が作れず、ブログを書く余裕がありませんでした。

そちらの仕事は先日、退職しましたので、もう大丈夫です。今後はまた、なるべく更新してゆくように努力してゆきますので、閲覧してくださっているみなさん、見捨てずに時々、覗いてやってください。

はじめから、その面倒な仕事を引き受けなければよかった、と今となっては思うのですが、まあ、これでよかったのかも、とも思います。身の回りが整理できてすっきりしました。今の職場は本当に楽しいので、なるべく続けたいのですが、生活が厳しいので、4月以降どうしよう・・・・・・といった状況です。

そんな風に2カ月もサボってきたブログを、見捨てずに時々、閲覧してくださっていた方、本当にありがとうございます。最近、ブログのアクセス解析のシステムが変わって、一日、何人の方が来てくださっているのかが、よりわかりやすくなりました。こんなにサボっているにも関わらず、この二ヶ月間、一日平均10人の方が来てくださっていて、見捨てずに見てくださっているようで、感謝の気持ちと本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。そんなみなさんの期待に応えるためにも、ブログも含めて、もう一度、頑張らないといけないなあ、と思っております。

最近の状況ですが、作家の小森健太朗さんからの紹介で、原書房という出版社から、本格ミステリ・ベスト10 (2006)

『本格ミステリ・ベスト10 2007』(画像は2006年分)の原稿のお仕事をいただき、先週今週はそれに追われてました。12月の初めくらいには出ると思いますので、もし、興味を持っていただける方は、手にとっていただけると嬉しいです。私の原稿はともかく、今、第一線で活躍されているミステリの作家、評論家の先生の原稿は満載ですし、そして何より2005年11月から2006年10月の間に発売された本格ミステリのベスト10ですので、ブックガイドとして必ず役に立つことと思います。

2006年の本格ミステリの状況としては、評論面で、2005年に発表された東野圭吾の『容疑者Xの献身』容疑者Xの献身

をめぐる論争が、一番大きな出来事でした。私はどの立場に与するものでもありませんが、『容疑者Xの献身』は、小説としては本当に面白い小説ですので、オススメしておきます。ただ、個人的には、本格ミステリとしては、石持浅海の『扉は閉ざされたまま』(2005年2位)扉は閉ざされたまま や他の作品の方が、高く評価されるべきかな、と考えています(詳しくは、私のホームページ『天知探偵事務所』の探偵小説百花繚乱のページをご参照ください。そちらも長いこと更新していませんが・・・・・・。http://members14.tsukaeru.net/amachi/ )

作品の方では、そういった昨年のような目玉作品はないのですが、本格ミステリとしていい作品は結構あったように思います。また、このブログでも紹介してゆく予定ですが、ベスト5の投票は、「端正な本格」という言葉と「小説としての面白さ」ということにこだわって投票しました。さあ、今年は誰のどの作品が1位をとるのでしょう。子供の頃、歌番組「ザ・ベストテン」で、年末に年間ベスト10の発表があったのが、本当に楽しみだったのですが、それを待つような(?)気持ちだと言えば、ミステリ読者以外の方にはわかっていただけるでしょうか。ベストテンがわからへんか・・・・・

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2006年8月29日 (火)

エキスポランドのお化け屋敷『獄門島』

今年もエキスポランドのお化け屋敷・横溝正史ミステリー『獄門島』へ行ってきた。

一昨年の『八つ墓村』、昨年の『犬神家の一族』に続いて、第三弾。

私は、去年から行き始めたので、2回目である。

Photo_2

まずは、モノレールの門真市駅に出ていた広告看板。

Photo

次に、太陽の塔。

去年、行った時に、お土産屋さんに「太陽の塔」のレプリカが置いてあるのには、笑った。1500円だったように思う。

Photo_1

こんな幟も立っています。

入り口のゲートにも「獄門島」。とにかく暑い日だったので、大量の汗をかいてしまいました。

Photo_3

入り口を入って、左の方へ。

少し歩くと左側に大きな看板も出ていて、わかりやすいところにあります。結構な行列もできていて、大人気の模様。

Photo_4

並んでいると、12月公開の『犬神家の一族』の看板も。

Photo_5

9月10日までやっているようなので、詳しいレポート(といってもうろ覚えの記憶だのみなのだが)は、10日以降にするとして(今から行こうと思っている人もいるかもしれないので)、とにかく「人が演じるお化け屋敷」ということなので、怖いという評判です。私も充分、楽しませていただきました。もちろん私は、怖いことはないけれども、なかなか上手いことやっているなあ、と感心したわけです。しっかり、観察してきましたので、できたら記録として残しておきたい。

ただ、去年と比べると、去年の方が少しレベルが高かったかなぁ、と。

去年は(私が始めてだったからそう思うのかもしれませんが)、私の前を歩いていたカップルは男の方もビビッてましたし、女の子の三人組みは腰を抜かして怖がってました。

人間が腰を抜かすところを始めて見たのが、私にとっては貴重な経験となりました。

でも、もちろん、今回も会場からはギャーギャー悲鳴が聞こえてきていたので、よっぽど捻くれた人でなければ楽しんでいただけるのではないか、と思います。是非、カップルで行ってください。あと10日ほどはやっています。

ただ、ほとんどが「獄門島」を読んだことがないような感じの人(子供づれを含む)が来ていたのですが、できれば、いや是非、この機会に横溝正史の『獄門島』を文庫本で読んでから行っていただけると、2倍、4倍楽しんでいただけるのではないか、と思います。本屋で、すぐに手に入りますので。

獄門島

横溝正史の最高傑作とされていますが、まさにその通り。戦後の本格ミステリの中でも代表的な作品といえるでしょう。

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2006年8月 6日 (日)

報告

ずっと報告するのを忘れていたのですが、

3月に応募した東京創元社の「ミステリーズ!! 新人賞」は、第二次選考で敗退でした。

厳密に言うと、締め切りは3月末だったのですが、間に合わず、4月1日に書き上げて、サークルKから宅配便で無理やり送ったのが本当のところ。締め切りを過ぎていたので、受かるはずはない、と思っていたのですが、運良く(?)第一次選考は通過。短編の賞だったので、400編中25編に残りました。

時代だな、と思ったのは、選考の結果は、出版社のホームページにUPされるので、その時期は気になって、毎日、ホームページをチェックしていたし、いちおう応募者全員に出版社の方からメールで結果を教えてくれることになっていたので、それも心待ちにしていたのですが、第一報を受けたのは、何と2ちゃんねるの掲示板でした。出版社のホームページよりも先に、選考通過者の名前が書き込まれ、その中に「天知」の文字を見つけた時は小躍りして喜び、急いで自宅にも連絡を入れたのを覚えています。

ただし、この第一次選考通過の25人の中には、今年、江戸川乱歩賞を受賞した鏑木蓮さんや十年以上前に講談社ノベルスから『予告された殺人の記録』を出版された高原伸安さんなどが残っておられ、強豪揃い(他にも常連さんがいっぱいで)だな、と思っていたのですが、鏑木さんも高原さんも私と同じ二次選考敗退という厳しい結果に。二次選考から最終選考に残ったのは七人で、最終的な受賞は、秋梨惟喬さんと滝田務雄さんの二人。

自分が応募したから言うのではないけども、なかなかのレベルだったのかもしれません。

ただ、今回の応募作は、短編小説ということもあって、私としては(負け惜しみではなく)、渾身の一球というところまでは行っていないので、まだ頑張れるような気がします。

前に光文社文庫の二階堂黎人編『新・本格推理05』新・本格推理05 の最終選考まで残った時は、わざとストライク・ゾーンの外側を狙って投げてみたにもかかわらず、高く評価していただいて、二階堂黎人先生より激励のメールをいただいた。

それなら、ストライク・ゾーンをきっちり狙ってみよう、と今回は慎重にコントロールに注意して投げた感じ。そうすると、二次選考まで残ってくれた。過去三回の応募歴(作品は二作品)で二回残ってくれた、というのは本当に運がいいです。頑張らなければ、と思います。

前にも書きましたが、今度は、自分の一番投げたかった球を投げたいと思っているので、これから長篇小説に取り組もうと、今、必死に日夜、プロットを考えているところ。少しずつ集まってきている感じです。それが『黒谷家の惨劇』。本格でありながら、小説としての面白さにこだわりたいので、まずは自分が楽しんで書こう、というのが、今、考えているところです。何とか年末までには書き上げて、応募したい、と思っているので、少しだけ天知小五郎の活動も、気にかけていただけると嬉しいです。

ちなみに、先日、バイト先のコミュニケーション・ノートに連載しているハードボイルド小説『約束の場所』を子分に褒められてしまいました。ふだんの私とは似ても似つかない世界を描くことができているようで、それは私には嬉しい褒め言葉。ほとんどのみなさんには読んでもらうことはできませんが、順調です。

この『約束の場所』は、場所シリーズの三部作で、『約束の場所』の次は、『孤独な場所』、最後は『永遠の場所』となっています。しかし、本当は『永遠の場所』、『孤独な場所』の順番で書こうと思っていて、『約束の場所』はそれより後に、一番最近に思いついた作品なのですが、なりゆきというのは、不思議なものです。

なかなか創作の時間を作るのが難しい、というのが一番の悩みですが、このあと、一時間だけでも時間を作って、『黒谷家の惨劇』のプロローグだけでも書いてみたい、と思っています。まだ、全体像は全然、できあがってないんですけどね。

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2006年8月 4日 (金)

田口律男「江戸川乱歩『孤島の鬼』論」

都市テクスト論序説

田口律男さんの『都市テクスト論序説』という本が松籟社より、今年の2月に出版されている。

先日、龍谷大学で開かれた、「横光利一を読む会」での課題図書だったのだが、大学の行事で出席できなかったので、金欠もあり、買わなかった。が、どうしても気になってしまったので、最近、購入した感じ。

まだ、買って間もないので、全部、読んではいないのが、田口さんのこれまで発表された研究論文の中から、テーマに合わせて厳選された数本が収録されている。

田口律男さんは、龍谷大学の経済学部の教員で、横光利一文学会の、現在、幹事も務めておられる。個人的によく存じ上げているので、その人間的魅力に惹かれている部分もあるが、本自体も結構、面白いのだ。

とくに面白かったのは「まえがき」。

子煩悩な(飲み会にもあまり出ずに、いつも一次会で帰られる)田口さんの娘さんへの愛情が、うまく研究へと結び付けられているところ。一方、独身時代の田口さんを想像させるような〈冷徹さ〉も失われてはいないところ。経済学部での教員経験が研究に生かされているのが伝わっているところ。など。人柄を知っていると、思わずにやりとさせられる部分が随所にある。文章の読みやすさもあるが、読んでいると、田口さんに語りかけられているような錯覚も感じる。

で、今回ともかく江戸川乱歩の「孤島の鬼」論から読むことにした。

この論文は、10年ほど前の乱歩生誕100周年の頃に、『国文学 解釈と鑑賞』で江戸川乱歩の特集が組まれたのだが、その時に掲載された文章であり、私もその頃に一度、読んでいる懐かしい論文である(ちなみに当該号の『解釈と鑑賞』には、浅子逸男の『D坂の殺人事件』についての論文も載っている)。が、その頃は、私もまだ若造だったので、自分が乱歩のことは一番よくわかっていると錯覚し、「みんな、全然わかってないなぁ」というような不遜な気持ちで、読み流していたようなところがあった。

が、今回、時間が経って、読み直してみると、いや、これが面白いのだ。

〈「都市」とは、私たちの身体にかかわるすべての領域がリンクする空間である。〉とする田口氏は、「『孤島の鬼』論」では、ストレートに、乱歩作品の〈欠損した身体に対する異様なまでのこだわり〉について言及する。ここでいう〈欠損した身体〉というのは、「孤島の鬼」作中で、諸戸丈五郎による〈不具者製造〉などによって作られる〈不具者〉の身体などのことなのだが、氏は、〈乱歩のテクストは、意図的に欠損した身体を前景化することによって、安定した社会システムに亀裂を走らせようとしていたのではないだろうか〉とする。もちろん、田口氏が言っているのは、乱歩の〈意図〉ではなくて、乱歩テクストの〈意図〉のことなので、誤解のないよう。乱歩自身にそのような〈意図〉があったかどうかは微妙である。

とくに面白いのは後半、『孤島の鬼』作中に挿入された「人外境便り」という〈「不具者製造」の犠牲になったひとりの少女のしたためた手記〉の分析。氏は、この〈手記テクストのもつ強度〉を指摘しながら、〈身分け(身体による世界の分節化)・言分け(言葉による世界の分節化)の初源のすがたを露出させたもの〉とする。このところの指摘は、認知科学に接続してゆく可能性も持っているのではないかと思う。

そして、論の末尾、「孤島の鬼」の〈あまりにも善意に満ちた美しい結末〉(揶揄的に)を氏は、〈欺瞞に満ちている〉と指摘。「孤島の鬼」では、〈不具者〉製造の被害者たちは救出され、獲得された財宝によって、〈「自活力のない不具者を広く収容して、楽しい余生を送らせる」「不具者の家」が建てられ、その隣には、「かたわ者を正常な人間に造り替えるのが目的」の「整形外科の病院」が設置される〉という結末なのだが、田口氏は〈「正常な人間」による「かたわ者」への身体の矯正、つまりは、みえない差別構造の新たな出現といえないこともない〉とする。

最後に氏は、「孤島の鬼」というテクストには〈異化された身体へのオマージュ〉があり、〈妻と財宝とを獲得する冒険譚といった物語の枠組みの背後には、それとはみえない形で、その枠組み自体を破砕する情火がくすぶりつづけていた〉と結論づける。

この乱歩テクストに対する「読み」には、私も賛同する。乱歩テクストのそういったアンビバレンツな部分というのは、修士論文を書いた時にも実感していた。そして、テクストのそういった部分(氏の言葉を使えば〈始源の闇への志向〉)が、乱歩作品の人気の源となっているのではないだろうか。

論全体から、田口さんの差別や抑圧に対する批判的な姿勢・誠意のようなものが伝わってくる。それでありながら、単線的に〈矯正〉の方には向かわずに、文学テクストの持つ可能性について思考が進んでゆくあたり、とても好感が持てるのだ。差別や抑圧について考える際に、単に既成の善悪判断で考えてゆくのではなく、いろいろな文学作品を読んで、柔軟な思考を身につけてゆくことの大切さをメッセージとして、私から付け加えておきたい。そして、江戸川乱歩の「孤島の鬼」江戸川乱歩全集 第4巻 孤島の鬼 は、本当に面白い作品なので、多くの方に読んでもらいたいものである。

個人的には、この「孤島の鬼」を探偵小説として論じてみたい欲望にかられるが、それは今後の私の課題として、田口さんの論には改めて刺激を受けたというのが、正直な感想。『国文学 解釈と鑑賞』に掲載された論文なので、少し短いのと、依頼による執筆というところはあるのだろうけど、にもかかわらず面白い論文であった。

最後に田口さんも副題に引用されている作中の記述で今回の記事を締めることにする。

〈人間にはいろいろなかたちがあるのだ〉

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2006年7月26日 (水)

「本格の神様」

また、更新をサボってしまいましたが、ここのところ職場のコミュニケーション・ノートに、編集長の許可をもらったので、小説の連載をしております。今、連載7回目くらいです。タイトルは『約束の場所』。タイトルからもわかると思いますが、ハードボイルドです。職場の人しか読めないので、申し訳ないのですが、そういうのが好きなもので。

そういえば、10年くらい前の原稿で、「落ち武者伝説殺人事件」という企画ものの習作を書いたこともありました。

大学院のメンバーで合宿をした時に、その合宿場を舞台にして、合宿に参加したメンバーが登場人物で、犯人当てミステリを書きました。それが「落ち武者伝説」です。この作品は、私も原稿の入ったフロッピーを紛失してしまったので、もしプリントアウトしたものが現存していたとしても、この世に八つぐらいしかありません。まあ、推理の部分もひどい内容だったので、あんなものは、早いこと消滅してくれた方がいいのですが。

あれから10年(以上)。

昨日、やっと新作の構想を思いつきました。ここのところ、ずっと書けないで苦しんでいたので、本当に嬉しい。久しぶりに家族と買い物に行ったのですが、その車の中で、思いつきました。「本格の神様」が降りてきてくれたのです。

今度のはちょっといけるんじゃないでしょうか。やっと、これなら戦える、という内容のように思います。あと、細かいところを詰めていけば、書き始めてゆけそうです。

光文社文庫の二階堂黎人編『新・本格推理05』に応募した時に、最終選考までは残ったのですが、編集の二階堂黎人先生から〈小説としての膨らみに欠ける〉という旨のアドバイスをいただきました。そして、〈センスはいいと思うので、また頑張って書いてほしい〉という旨の激励も。

確かに二階堂先生のおっしゃるところは自分でもわかっていて、応募作は短編でもあるので、〈本格〉の部分に神経を注ぎすぎたため、どうしても〈小説としての面白さ〉に欠けるところがあったように思います。〈本格〉というところにこだわればこだわるほど、〈小説としての面白さ〉からは遠ざかってゆくし、〈小説としての面白さ〉を目指すと〈本格〉の部分がうまく作れない。そこのところが、私にとっての課題なのですが、やはりプロの先生方のように、面白い〈本格〉が書いてみたい。

また、ずっと以前の花園大学の講演会で北森鴻先生に言っていただいたことなんですが、〈自分が読みたいと思う小説を書けばよい〉ということ。北森先生は、〈自分はこんな小説を読みたいんだけど、そういう小説がない。だから自分が書くんだ、〉で書いている、とおっしゃっていました。そういう意味では、今の私も、自分が最も読みたい小説はやはりこの世には無い。(めっちゃくちゃ面白い〈本格ミステリ〉、〈素敵な物語〉は山ほどあります。本当に幸せな状況なんだけど、100%なものは無い、という意味で)だから、書きたい。

今回、構想が沸いてきたのは、タイトルは『黒谷家の惨劇』。蒼井雄へのオマージュ的なところもあります(でも、時刻表トリックではありません)。これと、構想20年の『白い女神』との二本立てでゆけば、ちょっと何とかなるんじゃないかと・・・・・・

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2006年7月 1日 (土)

出版企画

今日は、これからある出版企画の打ち合わせの予定。

あまり詳しくは言えませんが、念願の出版企画だったので、ちょっと楽しみです。

その書籍では、自分は鮎川哲也論を書く予定です(ということは研究書ということなんですが)。まだ企画の段階なので、刊行自体はいつになるのか、本当に実現するのかは微妙なんですが、企画する以上は、刊行までたどりつきたいかな、と思います。編集のメンバーも結構、乗り気ですし。もし、実現するとすれば、それでも二、三年後ぐらいですかね。

明日は花園大学の国文学会で、広森さんによる学会発表がある予定。内容は、中町信の『模倣の殺意』についての発表。叙述トリックが中心の話題になるらしい。質問に立たないといけないので、現在、予習中。でも、何言おう? 

発表者をつぶさないような質問を考えないと・・・・・・(いちおう後輩なので)

田中一彦という大阪市大の研究者(言語学系の人か)の叙述トリックに関する論文を見つけたので、それを読んでいます。タイトルは「協調の原理と叙述トリック」『人文研究 大阪市立大学文学部紀要』第52巻第11分冊、2000年。グライスの「協調の原理」を応用した論文で、後半は「シックス・センス」についての分析になっているのですが、結構、微妙かなあ・・・・・・

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2006年6月29日 (木)

花園大学ミステリ講演会

前回の記事から、1ヶ月以上、間をあけてしまいました。もう、ブログを書く資格はないと思われます。とにかく忙しかったのですよ。やっと最近、少しだけ余裕ができたところです。

最近の情報としては、先日(6月24日)の花園大学でのミステリ講演会が、やはり最も印象に残った出来事でしょう。

笠井潔さん、法月綸太郎さん、巽昌章さんのお三方によるご講演だったわけですが、ほとんどミステリ界の日本代表メンバー集結みたいな集まりで、客席も我孫子武丸さん、麻耶雄嵩さん、小森健太朗さんと(佳多山大地さんは今回は欠席でした)相変わらず豪華な顔ぶれで、このまま探偵小説“学会”にしてはどうだろう、というような状態でした。

お話は、最初、東野圭吾の『容疑者Xの献身』をめぐる論争からスタートし、笠井さんの“大量死論”やP:NP問題など、どんどん難しい問題に発展してゆき、途中で客席の我孫子さんからの質問が飛び出すなど、ほとんど学会みたいなノリで、個人的には今までの花園大の講演会の中でも、トップクラスに面白かったという感想です。

私の推測では、笠井潔はどうやら最近、脳科学に興味を持っているのではないか、と思われます。笠井さんは「島田さんが脳科学に向かっている」ということをおっしゃっていましたが、笠井さんの言っていることも、ほとんどプロトタイプ理論に近いものだったので、そうではないかと。

それにしても三人の演者の先生は本当に鋭い方たちで、ものすごい刺激を受けて帰ってきました。WBCの日本代表の選手のプレーを目の前で見て、感銘を受けた楽天の二軍の選手の気持ちです。とにかくすごかった。自分自身の勉強不足を痛感いたしました。

意外だったのは、笠井さんがとても優しい方だったことです。書いているものが、かなりハードで鋭いので、もっと恐い方かと思っていたのですが、まったく違い、そこのところでも感動してしまいました。

最後に、巽昌章さんが、「今日は浦谷さんは来られないのですか?」とスタッフに(私が着く前に)聞いてくださってたとのことで、それが嬉しかったです。覚えていてくださっただけでなく、私の二年前の台湾の論文についてもいろいろと感想と意見を言っていただいて、とてもありがたかったです。また、頑張らないと・・・・・・

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2006年5月 2日 (火)

お詫び

長い間、一ヶ月以上、更新をサボってしまいました。

仕事を変えたり、いろいろとバタバタしていたのでなんですが、お詫び申し上げます。

やっとちょっと落ち着いたので、書く時間をとれました。

今後はなるべく、ちょっとずつでも書かねば、と思っているのですが。

書きたいことはいっぱいあるんですけども、なかなか時間がうまく作れないのが、情けないです。

見捨てずに、時々、チェックしてくださっていた方が何人かおられるようですが、本当にありがとうございます。嬉しい限りです。

この1ヶ月の出来事というと、

東京創元社の「ミステリーズ! 新人賞」(ミステリーの短編小説の賞)に100枚ほどの原稿を投稿しました。天知小五郎名義で、「駅前書店員殺し」というタイトルです。前の「愛国者殺し」と同じ神経痛探偵のシリーズです。はたして、一次選考を通過してくれるのでしょうか・・・・・・

執筆中に運良く、「本格の神様」が降りてきてくれまして、次回作の見通しがつきました。

今度は横溝正史風の長篇小説です。300枚以上は行けそうなので、頑張って書いて、鮎川哲也賞を目指そうと思っています。タイトルは「血取屋事件」の予定です。

それ以外には、構想二十年(無駄に二十年かけただけなんですが)の学校を舞台にしたミステリ「白い女神」(こちらも長篇)も書かないといけないので、今年はいい感じでやっていけそうです。何とか活字にしたいものです。

論文の方は、蒼井雄の『船富家の惨劇』(日本探偵小説全集〈12〉名作集 2 )についての研究論文の第一稿を、この1ヶ月の間に書きました。あと何度か手を入れて、(六月が〆切なので)夏ぐらいには活字にできると思います。

また、京都とミステリの関係についての研究で、「京都○○殺人事件」(山村美紗や和久峻三作品やそのテレビドラマ化作品)がなぜ濫造(ちょっと言葉は悪いですが)されたのか、についての研究論文が、『京都学の企み』という本に掲載されて、勉誠出版という出版社から出版されます。五月刊という予定ですが、こちらは出版され次第、また案内します。

大学でお世話になった先生(指導教授ではないのですが)から、「論文が面白いので、本にして出版しませんか?」というお話をいただきました。ちょっと、今すぐには原稿の量が少な過ぎるので無理なのですが、博士論文が書きあがったら、出版という方向にもっていけそうです。最近、文学系の博士論文は提出しても出版できないことが多いのですが、そういう状況を考えると、とても嬉しい話。

「強い気持ちで」頑張らないといけない、と思いました。

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